乙女男、恋愛を語る

視ているだけで満足です。あなたの一挙一動を視ているだけで、私は飽きないのです。楽しい。気持ちいい。満たされる。つまり、あなたのことが好きです。
え、告白なんて、そんなこと…できません。できませんよ…。
なんでできないのでしょう。どうも勇気というものが私には全くかけらも無く存在しないかのような、そんな感じなのです。私は、か弱い。ただあなたを見つめて、目にかけてもらうのを待ち続けているだけなのです。
あなたをただ視ている。そんな私のことを怖いとあなたは言いました。私はきっと醜いのでしょう… でも、あなたに声を掛けてもらったことは幸せなことなのです。

運良く関わりを持つことになりました。(なってないけどなったとします)
電話番号とか、メールアドレスとか、アカウントとか、そういうものを知ったとします。教えてもらったとします。でも、私から連絡することなんて、できません。
そもそも特に用事が無い限り、友人にすらめったに声を掛けない私ですから。
あなたの電話番号をプッシュしますが、受話器は上げられなかったりします。
メールの内容など、何かを伝えたいはずなのに、思いもつきません。
あなたの邪魔をしたくないのです。私はきっと迷惑になる存在なのだから。

自分の♂の部分が嫌いです…。
いかにこれが自然であったとしても、本能のままに突き進むことなんてできません。もしもお近づきになれた時に興奮なんてしまったら、私は赤面して恥ずかしさのあまり逃げてしまうと思うのです。
こんな私を捕まえて逃がさないような王子さまのような女の子を、乙女男は密やかに待っているのです。