霊媒師(?)vs かつら ep.01

私と父と母は、予定より一時間早く現地に着いてしまったため、そのどこかわからなかったその人の家を確認した後、近場のホームセンターで時間を潰した。
工場らしい外観の正面口から入ると、剥製(わかっただけでもフクロウ、熊、鳥など)がたくさんあった。
頭がパーマでどちらかというとラフな格好の工場長兼、霊能力者(以下おじさん)が出てきた。この人らしい。

線香の匂いのする座敷に上がってちゃぶ台を対面にして正座で座り、まず母親が私の不具合っぷりを説明する。
するとおじさんは、手を軽く揉んだ後、黙って遠くをみた。(私を見ていない)
ちゃぶ台に置いた右腕がぴくぴくと痙攣している。どうもこの時にリーディング(霊視)を行っているようだ。

しばらくするとおじさんは私に語り始めた。
「お笑いとか、見ますか?」
これは意外な質問だったな…。テレビはほとんど視ることは無くなったが、面白いことは大好きである。
…おじさんが言うには、テレビを視る視ないとかは関係なく、私に本来ある明るさ(笑う頻度)が幼少(7〜8才)時より大きく減退していおり、万人に対してそれが出せないために(限定された人以外の)人前に堂々と出られない。
これは他人の問題でなく私自身の内面に起因するものなので、最低一ヶ月半は日々、寝る前と起きた時に「明るくなれー!」と自己暗示をかける必要がある。また、自分を偽らず(演じず)、人を分け隔てなく接するようにしなさいと言われた。
そのほかに、父の祖母(曾婆ちゃん)への供養(父方の祖母の話を聞くとの異論あり)
実家の家屋の周囲、地盤との間方位不問数ヶ所に二本の線香の火を当てるなどの法を行えとの話を聞いた。

次に父の仕事についてのリーディングとアドバイスも行われた。
ここで私と父の大きな違いが明らかになった。父は私に対し「全てコンピュータが悪いんだ」と突然極論を言うくらいの勘や感性で動くタイプである。
「それは違う」と即座に反論する私はどちらかというと母譲りの理詰めで考えて動くタイプである。
そこが良くないとおじさんは言う。父のような勘をそこそこに取り入れる必要があるらしい。
父の農業に関しては、「農業は代々続く唯一の職業であり生活苦のためにバイトをしたとしても農業を辞めることは勧められない」であった。


最初の話から堅物かと思っていたが、思ったよりも気さくな雰囲気のする人物だった。おじさんは笑いながら会話するのである。
ツッコミどころである。私は話を聞きながらも理論戦を講じていた。

・都合の良いことは「そうだ、そうだ」と調子が良くなるが、都合の悪いことになると「それは違う」と言う点。これはよくある信じ込ませる手法である。
・両足切断者にカウンセリングを行った際、医師の治療を停めさせている点。(回復はしているらしいが…)
・ここ数日、対北朝鮮関連に関して様々な学位を有する偉い学者さんから電話でアドバイスを求められており(電話越しでもリーディングできる)、直接の同行を求められているが(本人の決断が鈍るため)断っている。なお、「本日、日中に判断を行うと原発(原爆?)が爆発する危険性があるため、本日22時以降に行動するべき」(この事項についてだろうか…)
(人類の命運はこんな身近なところで左右されていたというのか…!?)