二泊三日の書評

ティンカー (ハヤカワ文庫SF)
「ティンカー」

必要要件。家の隣にある書店にある、一冊でぶ厚い(二泊三日は潰せる)海外SF文庫本。

付加価値。画像のとおりラノベとも見間違えるような表紙(これでもハヤカワ文庫SF)、SFなのにエルフ出てくる(かつらさんはエルフ好き)、魔法は当然のように使われる。それどころか鬼やら天狗、化け狐のような日本的な妖怪まで出てくる。
中国の衛星によりアメリカのピッツバーグ周辺が不死のエルフの世界に転移して20年ほど経った世界。
18 歳…アメリカでは成人…したものの幼く見えるティンカーはエルフ世界にあるピッツバーグのスクラップ場で働いているが、量子力学に通じた天才(ただし一般常識や恋愛には疎い)少女。月に一日だけピッツバーグが地球に帰還した夜、一人のエルフ(210歳の若き王子様)を助けたことから運命は動きはじめる。 (エルフは不死なので数千歳でも普通)
まさか自分の知らぬ間にエルフになってしまうとは!
本文にイラストは無いけれど、ラノベ読みなら楽に読める内容じゃないかな。
SFとファンタジーと恋愛と冒険活劇がうまく融合してて楽しめる。
アメリカ作品なんだけど、単位がメートル法に訳してあるのが読みやすかったですね。ティンカーの身長が150cmというとエルフや一般的アメリカ人に比べれば本当にちびっ子だということが実にわかりやすい。
人間同士でも噛み合わない会話がなぜか東方を思い出させた。
つか気付いたんだけど、ECOの世界には結構近い。異世界とのコンタクト後であること、機械技術と魔法が混在する状況、人間が最も魔力が低いといったファンタジー的お約束など。